今月のゲストは”福丸水産”様です。 取材日:2003.11月
   
リポーターA・B・C
:今月は福丸水産の高城さんと戸井田さんにお話をうかがいます。よろしくお願いします!

高城さん
:はい、今日は今使用している原卵のアメリカ船上での加工作業やたらこ漁についてお話しようと思います。

リポーターB
:船での加工はどのような流れで行われるのですか?

高城さん
:ビデオを用意しましたので、見ながら説明しましょう。丁度今使っている原卵を加工している船のビデオです。

高城さん
:これは親のスケトウダラを水揚げしているところです。

リポーターA
:この網の捕獲でどのくらいの量になるのですか?

戸井田さん
:だいたい50トンです。一つの網であんまりとりすぎると、スケトウダラの血栓が詰まったり、内臓が押されて たらこに胆汁(内蔵の色)がついたりするんです。鮮度を保つためにも、50トンを越えると合図が鳴り、詰めすぎない仕組みになっています。

高城さん
:網は伸縮と強度に優れているナイロンでできています。水揚げされたスケトウダラは、タンクに入り、製造ラインにのります。

高城さん
:まず魚の大きさで選別され、それぞれの大きさ用の機械を通してスケトウダラの頭をきり、腹の中を 取り出します。大きさによって機械を変えるのはたらこが切れてしまわないようにするためです。 (卵の大きさも魚の大きさに比例します) その中からたらこだけを取り出し、選別、検品、設定の重さに合わせて型に入れ、急速冷凍となります。

リポーターA
:選別は手作業なんですね。どのくらいのランクに分けるのですか?

戸井田さん
:船にもよりますが、グレードとサイズで14くらいのランクに分けます。グレードは真子や未熟卵、胆汁がついて一部青くなってしまった青子などで分けられます。

リポーターB
:急速冷凍は何時間かかるのですか?

戸井田さん
:コンタクトフリーザーという機械で2〜3時間で凍ります。コンタクトフリーザーは一度冷凍する度に必ず洗います。





高城さん
:冷凍後、型から外したものを3つあわせて1ケースにします。グレートをチェックし、ふたをし、バンドをかけて地下の冷凍保管庫へ、という流れです。

リポーターA
:ではこの状態で日本に届くのですね。1ケース何キロぐらいあるのですか?

高城さん
:23キロぐらいです。ここまでの課程が早いと鮮度がよく、ギフトなどに適したたらこができます。

リポーターC
:はじめからケースに入れるまでどのくらいの時間でできるのですか?

高城さん
:このビデオの船のような洋上船だと8時間くらいです。スケトウダラの加工は洋上船、母船、陸上工場の3種類 あるのですが、母船や陸上工場の場合は何艘かのキャッチャーボートでスケトウダラを獲り加工するため、先に来たキャッチャーボートの分を加工している場合は後から来たキャッチャーボートのたらこは処理を待つ事もあります。

リポーターC
:それはたらこ漁の専用の船(工場)ですか?

高城さん
:たらこ製造ラインだけでなく身を処理する製造ラインも同じ船(工場)の中にあります。

リポーターA
:船の中にこれだけの装備や機械が備わっていてるなんて驚きました。船で働く人たちもたくさんいるんでしょうね?

戸井田さん
:ビデオの船は120人位、母船だと250人位です。様々な国の人が働いていて、女の人もいます。

リポーターB
:高城専務も船で働いていたということですが、それは何年頃ですか?

高城さん
:1996年〜1999年です。 船には日本人が私一人だけだったので心配なところもありましたが、たらこの事は分かっていたので、はじめの頃は 仕事をしている間が一番落ち着きました。働いているのはたらこを食べる習慣がない国の人達ですが、テストしたものを食べるとおいしいと言うんですよ。食べたくなくて逃げる人もいましたが・・・

リポーターA
:日本からどのようなルートで船に乗ったのですか?

高城さん
:私が母船に乗った時は、日本からシアトル、アンカレッジ、ダッチハーバーと移動し、そこから水上飛行機に乗りました。 船の中では16時間半労働で3つのシフトがあり、二つのシフトが働いている間一つのシフトが休むサイクルです。

リポーターC
:16時間半ですか?(驚き)一度船が出ると、戻るまでどのくらいかかるのですか?

戸井田さん
:洋上船の場合はだいたい1週間から10日が一航海です。

リポーターB
:アメリカ産のたらこを利用する利点とは?

高城さん
:アメリカは資源保護に力を入れているので、来年は140万トンの漁獲量、というように政府からその年漁獲して良い量が決められてますので、乱獲などによる資源減少が少なく、資源が安定しているからです。

リポーターA
:ちなみに140万トンのスケトウダラからたらこはどのくらいとれるんですか?

戸井田さん
:たらこはだいたい身の2〜3%です。オスとメスがいるので実際にはもっと少なくて1万5千トン〜1万4千トンですね。

リポーターA
:かなり少ないんですね!

高城さん
:漁場はトドの保護区域と重なっているエリアがあって、そこでもトドがえさにしているスケトウダラの漁獲量が決められています。 枠が決まっているので、群れを見つけてもよいものがとれるよう一度試験的に水揚げし、確認してから漁獲します。 小さいスケトウダラのガム子などを獲ってしまうのを減らすためです。この保護されているエリアは良質な卵がとれますからね。

リポーターB
:育っている程度によって呼び方が変わるのですか?

戸井田さん
:小さいスケトウダラの未熟な卵は皮が厚くガムを噛んでいるようなので“ガム子”、食べ頃の熟成卵“真子”、それを過ぎると、産卵の準備が始まり、卵の中に水泡ができはじめている“目付け”、水泡が完全にできている“水子”などです。

リポーターC
:アメリカの卵を使うようになったのはいつ頃からですか?

戸井田さん
:1989年頃からです。それまではロシアと日本でとっていたのですが、乱獲などの原因であまりとれなくなってしまいました。今はアメリカの卵を使う流れがありますが、その流れの中でも、アメリカの卵を使い始めた走りの頃からです。

リポーターC
:早い時期から福丸水産さんではアメリカ産の卵を使っていたんですね。

リポーターA
:入札のようすや時期や回数などについて教えてください。

高城さん
:入札は冬に2〜3回シアトルで行われます。当社では一年間に使用するたらこを冬に一度に仕入れるため、一年分の原料確保になるのでとても神経を使います。

リポーターA
:入札にはどんな国が来ますか?

高城さん
:日本と韓国の人がほとんどです。ビッドシートという値札に値段を書いて入札します。

リポーターB
:ところで、福丸水産さんでは、低塩たらこに定評がありますが、はじめから低塩たらこを製造していたのですか?

高城さん
:はい、他のたらことの差別化と、お客様の健康を考えて塩分を抑えています。 塩を入れるとやわらかいたらこでも形が固まりやすく、ぱらぱらになるのですが、 良質のたらこ原卵を使用すれば塩が少なくてもくずれません。塩の添加量が少ないのでうちのたらこは他のたらこより しっとりした感じだと思います。

リポーターB
:最後にお客様にメッセージをどうぞ!

高城さん
:来年もいいたらこを仕入れてきますので、是非、ご賞味下さい。

写真ギャラリー
 
◆原卵の加工風景
原卵の加工風景1
 
原卵の加工風景2
 
原卵の加工風景3
 
原卵の加工風景4
 
◆冷凍前の洗浄
原卵の加工風景5
 
◆梱包
原卵の加工風景6
 
原卵の加工風景7
































































◆オレンジ色で捕獲場所が
  記された資料
捕獲エリア
 
◆英語で選別基準が説明されて
  います
選別基準
たらこ実習1 アメリカ船のたらこ担当者が福丸水産さんへ実習に訪れた際のようす たらこ実習2
 
たらこ原卵について1 左)シアトルのTrident Seafoods社との2004年度のたらこ原卵についてのミーティングの模様
右)選別されたたらこ(Lサイズ)を見せている一枚
たらこ原卵について2
 
┘┘ 編 集 後 記 ┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘
今まで想像もつかなかった船の中での作業や、漁獲についてとても詳しく説明して頂けて、非常に面白かったです。たくさんの人が製造に関わり、たらこの事を考えているんだなというスケールの大きさを感じました。

スケトウダラ漁に使う網はこいのぼりのようなイメージで、手前側の網は10メートル四方広さがあるそうです。とても広い口なので、一度スケトウダラが入っても、逃げ出してしまうんじゃないかな?と思えるのですが、スケトウダラは網の振動を怖がって奥へ逃げていくんだそうです。

今回もまた一つ勉強になりました。次回もお店のHOTな情報を直撃してきます。楽しみにお待ち下さいね!!

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いしのまき旬鮮市場