今月のゲストは”大興水産”様です。 取材日:2004.01月
   
リポーターA・B
:今月は豊富な商品ラインナップの大興水産さんへお邪魔しました。
大興さんの新含気調理商品が紹介されたテレビ番組のビデオを拝見し、予備知識をつけたところで、インタビュースタート。


リポーターA
:まずは新含気調理商品についてお願いします。

出雲さん
:新含気調理システムとは専用の機械を使い、真空パックの商品やレトルト商品に多い味落ちや賞味期限の問題を解決した調理法です。ポイントは
●食品を腐敗させる原因の、酸素を取り除く為に99.9%空気を抜きます。
●不活性ガス(当社では窒素ガス)を入れ真空にしないので、素材がふっくら仕上がります。
●その後わずかに残った空気も熱殺菌調理するので袋の中は無菌状態です。
●調理の際の温度は段階的に少しずつ上げていきます。
・・・ということです。


阿部さん
:食べ物に対して悪い要素が何もないシステムなんですよ。
このシステムで調理した食品を、新含気調理食品と言います。最近、テレビや新聞で取り上げられ、少しずつ知られるようになってきましたが、まだまだピンと来ないという人が多いですね。

リポーターB
:新含気調理食品を作り始めたのはいつ頃からですか?

出雲さん
:含気の機械を導入したのが2000年の9月頃の事です。そこから色々やってみて、販売を始めたのは2001年の3月頃からです。

リポーターA
:販売を初めてからは3年になるのですね。どのような経緯で始められたのですか?

出雲さん
:きっかけは展示会です。
含気の機械というのはもともとは岡山県の食品会社が、農産物をどうやって長持ちさせるかを考えて開発した、農産物の水煮などに使われる機械なんです。
私達が行った展示会にそちらの会社が参加していて、そこで偶然含気の機械を見かけました。

リポーターA
:農産物の水煮の機械で魚の調理をしようと思ったのは?

出雲さん
:その展示会には、見本として魚も常温で置いてありました。普通の人も驚くと思いますが、普段魚を扱っている身としてはとてもショックを受けました。

阿部さん
:みなさん驚かれるようで、今でもうちの商品をお買い上げいただいたお客様から、本当に
冷蔵庫にいれなくていいの?という問い合わせがよく来ます。


出雲さん
:その時見た魚は種類もとても少なく、煮物などはありませんでした。
それに比べ、自分たちは昔から原料として多くの種類の魚を取り扱っていて、取り扱えない
魚はないという自負があります。魚の加工は難しいですし、他にはない商品を作る事ができると思い、開発を始めました。


リポーターA
:他のレトルト商品との調理の違いは?
温度を上げた中へ決まった時間入れて調理するレトルトと違い、コンピュータで管理し、温度を少しずつ上げて、味をしみこませながらじっくり調理します。
魚は組織が弱いので、煮立った鍋に入れるような調理方法をすれば崩れてしまいます。

リポーターA
:下処理は手作業ですか?

阿部さん
:はい。含気の機械で調理している時間より、それ以前の行程のほうがずっと時間も手間もかかります。

リポーターB
:商品ができるまでの行程を教えてください。

出雲さん・阿部さん
:それでは実際に作っているところへ行きましょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
工場内作業1 まず原料の魚を水につけて解凍します。
これはノルウェー産のサバです。
工場内作業2

次に切り分けて
ピンセットで骨を取り除きます。
工場内作業3  工場内作業4
工場内作業5 サバ味噌等、煮る工程があるときに使います
工場内作業6

魚を焼く機械です。
工場内作業7 網に並べて近赤外線と遠赤外線、2段で焼きます。
工場内作業8

始めに表面を焼きうまみを閉じこめた後、中にじっくり火を通します。
工場内作業9 あら熱を取り、ひとつひとつ袋へ入れます。
工場内作業10

タレを入れます。
工場内作業11

この機械で空気を抜き、窒素ガスを入れます。
はじめに窒素ガスが出る管の先へ魚の
入った袋をセットし、機械を閉じ、空気を抜いて、上のメーターの針が止まったら窒素ガスを入れます。
工場内作業12


窒素ガスを入れたあと、袋を閉じ、一度冷まします。
ピンポールがあるものや、口がしっかり
閉じていないものは袋が膨らむので、
そういう商品がないかここで確認します。
 
リポーターA
:この状態で何割ぐらい出来ているのですか?

出雲さん
:だいたい8割ぐらい出来ています。食べてみると何か一つもの足りないといった感じがすると思います。

リポーターB
:殺菌調理の行程では最後の味付けをするんですね。

出雲さん
:こちらにある銀色の機械(区切られた部屋にあります)へ入れ殺菌調理します。コンピューターでチェックし徐々に温度をあげて調理します。
その後はもう一度確認し、賞味期限の表示を入れ、箱詰めとなります。


リポーターA
:だいたい下処理の始めから、箱詰めまでどのくらいかかるのですか?

出雲さん
:3日から、長いものでは5日です。
照り焼きなど、つけるものは他のものより時間がかかりますね。
ブリの照り焼きは2日間、てりやきの液につけこみます。

リポーターA
:賞味期限は90日と表記されていますが・・・

出雲さん
:社内の実験では1年も可能という結果でしたが、より安全を考えた事と鮮度感、それに酸素がパッケージの袋を僅かに透過する事を考えての賞味期限設定です。
不透明のアルミの袋は空気を通さないので長期保存に適しているのですが、当社では魚の中身を見て買っていただきたいので、アルミの袋を使用しませんでした。


リポーターA
:常温でもとても安全な商品なのですね。
今ではたくさんの種類の食品を開発し販売されていますが、始めに製品化したものは
何ですか?


阿部さん
:スタート時はサバ味噌煮、サバ塩焼、カレイ煮付の3種類でした。

リポーターA
:商品開発はどのように進めるのですか?

阿部さん
:試作品は研究室で作り、下の階の含気の機械に持っていき、また研究室で検討する、この繰り返しです。

リポーターB
:味付けなどはどうやって決めているんですか?

出雲さん
:始めに、その魚に合う味を考え、しょうゆ・みそ等ベースとなる味を決めます。食べてみて美味しいと思えるものができあがったら他の人に食べてもらい、甘さ・辛さなど細かい修正をします。

リポーターA
:開発するうえでのこだわりなどはありますか?

出雲さん
:自分で基準にしている事は、ごはんのおかずになるものという事と、もう一つ、女の人と子供が食べてくれるもの。この考えを念頭に置いて開発しています。

リポーターA
:くじらシリーズも珍しい商品ですが、くじらを取り入れたのはいつ頃からですか?

出雲さん
:くじらの商品をやろうと決めたのは2001年の秋頃です。規制があり一部の企業にしか入らないので、広く一般に食べられるようになればと思いました。

リポーターB
:新含気調理食品の開発〜販売の中で苦労している事は何ですか?

出雲さん
:販売に関しては苦労が多いですね。弊社では、もともと切り身類の加工品・味付加工品・鮮魚・お惣菜や魚類の一次加工品を取り扱っております。
これらの商品の場合は、市場に出荷していました。市場から仲買いを通し、量販店やスーパーに並び、消費者へ届きます。
しかし、この新含気調理食品の場合、直接量販店やスーパーに出荷する販売形態をとっているので、今までとは違います。新しい販路獲得が課題です。
とてもおいしいが価格の面で難しいと言われる事が多いです。はじめは量販店にPRしましたが、商品のおいしさや便利さに着目してくれるところへ持っていきたいと考え、色々なところへ紹介にいくようになりました。
今は旬鮮市場でのオンラインショッピングと石巻市観光協会を通しての販売を行っています。


リポーターA
:反響はどうですか?

阿部さん
:購入されるのは年配の女の方が多いです。家族が少ないので助かるという意見をよく聞きます。

リポーターA
:販売展開、開発中の商品など、今後に向けて考えている事は?

出雲さん
:販売については、定食屋さんの他、病院、老人ホームなどは本当に安全なのでお勧めしたいですね。生協などの配達サービスは、無添加かどうかを気にされる方や、質の良いものを買おうとする方がよく利用されるので、今後アピールしていきたい所です。
商品の方は、今は秋鮭の味付けを考えているところです。


リポーターA
:お客様にメッセージをどうぞ。

出雲さん
:食べた後の感想・意見などを聞かせていただければ、商品を修正していけるので、
 よりよい商品づくりのためにそういったご意見をお待ちしております。

◆新含気調理機
新含気調理機
┘┘ 編 集 後 記 ┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘
調理済み食品にここまでの違いがあるとは驚きました。そして見学中は作業中の皆さんの、魚を切り、骨を取り除くスピードにも驚きました。
○煮立った鍋に急に入れるような調理方法=レトルトの定番、形のしっかりしていないカレーやシチュー○温度を少しずつ上げじっくり調理する方法=繊維の弱い魚料理、という説明にはなるほど!!と、とても納得してしまいました。
最後のお客様へのメッセージでは、商品開発部の方らしいメッセージをいただいたと思います。皆さんご感想など、ぜひよろしくお願いします。

今回もまた一つ勉強になりました。次回もお店のHOTな情報を直撃してきます。楽しみにお待ち下さいね!!

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いしのまき旬鮮市場